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■パッシブソーラーハウス:小田原の家■ 冬暖かく夏涼しい家を造る手法であるダイレクトゲインのパッシブソーラーハウス。山梨のように周囲が開けて開放的な場所では比較的容易ですが、今回は小田原駅近く雛壇状に住宅が建ち並ぶ造成地の、ちょっと難しい条件で実現しました。 |
上:南側外観。前面道路から見上げた所。 右手奥に見える足場は隣家のもの。こちらの完成と入れ替わるように工事が始まります。 |
上:敷地周辺の環境。 計画敷地は南側前面道路から2メートル高い位置にある東西に短く南北に細長い形をしています。また北側・西側隣地面はさらに2メートル高い位置にあり、東側隣地では3階建の住宅が近接して建てられています。従って日照・眺望が期待できるのは道路のある南側・西南側のみとなります。 |
上左:南側外観。 上右:中庭。植栽はこれから。 |
上:西側外観。 ダイレクトゲインパッシブソーラーハウスの手法の要は各居室に冬の直射日光を取り入れることにあります。今回の計画の主題はそうした南北に細長く、東側に隣家の迫る日照条件が不利な敷地で、現在と将来にわたって日照を確保することでした。 北側1階の部屋でも床面に日射が届くように、階高を押さえた中庭形式となっています。 |
上左:中庭とバルコニー見上げ。 上右:採光のため、樹脂のグレーチング製のバルコニーとした。 |
上左:コンピューターを使った立体モデルにより日照をシュミレーションして、建物の形状・屋根の高さや開口部の位置を検討し、予定通りの日照を得る事が出来ました。中庭は通風採光のほか外部からの視線の届かないプライベートな場所となっています。 上右:建物の南側と南西方向には視界が開けている。右手前方に小田原城と太平洋が見える。 |
上左:1階南西隅を斜めに切り落とし開口部を設けている。午後の陽射しが床に当っているところ。 上右:北側1階個室。中庭を隔てた北側の部屋でもこのように陽射しが入る。2月14日午後1時30分頃。床は熱容量の大きなテラコッタタイルとし、色は集熱効果が高い黒を選んでいます。 |
上左:吹き抜けに面した2階の部屋の様子。吹き抜け越しに小田原の町と海が見える。1階で温められた暖気も吹き抜けを通してこの部屋を暖める。 上右:部屋の北側のトップライト。真下にベットを置き、星空を眺めながら眠りに就き朝日と共に目覚める。壁に飾り棚となるニッチを設けた。 |
上左:北側書斎。1階同様2階も中庭越しにこのように陽射しが入る。周りの目を憚らず、窓を開けたまま畳の上に寝そべって読書も出来ます。正面・右手に見える家具はすべて書棚。 上右:北側書斎。書棚の裏側。右手の読書机は厚さ80ミリの集成材。安定していてびくともしない。正面に見えるスリット状の窓は周辺の建物の隙間を抜けて、少し離れた林の緑を望むことが出来る。密集地でも息抜きの出来る視界があると居住性は向上する。 |
上左:階段室は暗くて、日中でも照明が必要となりがちですが、ここでは中庭に面しているので明るく、午後はこのように直射日光が入ります。 上右:階段室2階の手摺。室内に入った光が効果的に回りこむように、存在感を消した金属で造っています。手の触れるところは温かみのある木材を使いました。 |
上左:玄関ホール正面。玄関ホールの正面は窓にしたい所です。最初はそのような計画でしたが、隣地との関係で窓をなくし、代わりに象徴的なアート作品「Immigrant」(当社工房制作)を置いています。 上右:食堂から玄関ホール越しに階段室を眺める。白木・ベージュの壁・土色のタイルをベースに「Immigrant」の赤と黒がアクセントに入ります。 |
上:居間からキッチン・食堂を見る。
「Immigrant」のある壁の背面は勝手口とサービスヤード。ボイラーや室内に入れられない荷物を置く場所になっています。 |
上:食堂とキッチン越しに居間方向を見る。 キッチンの壁は緑色大理石のモザイク張り。手元明かりの為に設けた東側の窓からは暫くの間隣家工事のブルーシートが見えています。 |
上左:アート作品「Immigrant」。訪れる人の目にやさしく、しかし空間を強く印象付けるデザインとなっています。 上中:「Immigrant」の詳細。ガラスと銅版・鉛の組み合わせ。 上右:トップライトの詳細。空からの光は強い。柔らかく回りこんで入って欲しいので、光を拡散させるために壁は曲面としています。 |
上左:「ツェット」。スチールと木材を組み合わせたオリジナルデザインです。 上右:「ツェット」の置かれた風景。クツを履く為腰掛けるスツールでもあり、上り下りの際の簡易な手摺でもあり、手荷物の一時置き場にもなります。 |
上:ウォーキングクローゼット。 |
上:洗面台。 |
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